2012年吹奏楽コンクール反省

なんとか無事に奈良県吹奏楽コンクールが終わり、夫と娘たちが夫の実家に行っているので、1人の家でゆっくりシャワーを浴びて、冷蔵庫でしっかり冷やしておいたお酒で晩酌をして(〆のお茶漬けまで食べて)、ほろ酔いで書いています。


近所の中学校で練習しているバンドでコンクールに参加するのは、私は3年ぶりでした。2009年に初めて参加させてもらった時には、まだ1歳になったばかりだった次女の授乳中で、授乳の合間に吹きに行ったりしていたので気持ちが落ち着かなくて(その間に断乳もやったし)、吹奏楽と向き合うには中途半端な気分で、やっとのことで吹いた、という感じでした。


3年ぶりの今年は、長女も小学生になったし次女も年中になってしっかりしたし、私も念願のママブラスにようやく入ることができたし…前よりも腰を落ち着けて吹ける環境になっていました。


課題曲は「さくらのうた」、自由曲は「シンフォニア・ノビリッシマ」。
さくらのうた」では、4小節の短いソロがあり、吹かせてもらいました。練習の途中、他のメンバーの方にソロを代わってもらおうか…と思ったりもしましたが、今年は5月から練習にも参加させてもらってきたし、ここは逃げないで頑張って向き合ってみようと思いました。


今日の本番直前のチューニングの時まで、ソロのブレスの位置をどうしようか迷っていました。4小節なので、音を控えめに出せばブレス無しでも吹けるのですが、伴奏に対して響かせようとすると、今の私の力量ではどうしても最後の付点二分音符の処理が苦しくなってしまいます。。(←もっと基礎的な練習が必要。)午前中の練習の時からこっそりと色々試してみましたが、やはり本番では無難を取って、4小節のフレーズを感じられるようにしながら、2小節目の終わりでブレスして、最後の音を心おきなく響かせて、次のトランペットの旋律へ渡そうと思いました。


今日の午前中の練習の時、ソロの少し前のあたりでふっと、淡い桜色の着物を着た少女のイメージが浮かんできました。少女がきれいな声で歌っているようなイメージ。懐かしいような、切ないような。
本番、そういう音に少しでも近づけたかどうか…でも、今の力を出して吹けたとは思います。


自由曲の「シンフォニア・ノビリッシマ」は、高校時代にも取り組んだ曲。当時よりもう一歩踏み込んで、この曲を吹けた気がします。1箇所、小さなミスをしてしまいましたが、なんとかかんとか。高校時代には十分吹ききれなかった曲に、今回もう一度向き合えてよかった。


昨日の午後と今日の午前の練習で、バンドの音がなんだか急に良い感じになってきて、自分がバンドの音の一部になっていることが感じられるようになって…そういういい感じで脂がのってきたところで本番で…あっという間に12分が終わってしまいました。ここからもう少し吹いたら、たぶんもっといい感じになるんだろうな…と思ったところで終わり、もっと吹いていたかったと思う気持ちが、きっとまたみんなの来年につながるんだろう…と思います。


そして、やっぱり私は色々な場所で、色々な人たちの中で、ひとつの音楽をつくっていくことが、心から好きだと思いました。


結果は、銀賞だったと連絡がありました。
3年前に初めてこのバンドに参加させてもらった時は銅賞で、すごく残念で…色々もやもやとした思いが残りました。今回はなんとか銀賞で良かったとほっとした気持ちです。色々なバンドから集まってきた1年に一度だけのメンバーで、やれるところまでやった、と思います。金賞を取るには、色々な面で今以上のことをやらないといけない…。
このバンドには、バンドマスターのSさんをはじめ、吹奏楽コンクール全国大会金賞常連校のOBがうようよとしています。(私は前にも書いたけれど、高校時代の吹奏楽コンクール東海大会金賞(小編成)とアンサンブルコンテスト東海大会銀賞が最高、だから全国大会のしかも金賞というのは夢のまた夢の世界です。)でも、1人1人の力量があっても、自分たちの力だけで全体として金賞の音楽にまで仕上げていくことは、なかなか難しい。それでも、良い年齢の大人たちが何か一つのことに向かって、毎年心を熱くして一生懸命になっているのは、いいものだなと思いました。大人の挑戦というか…すごく楽しい時間でした。バンドを運営して下さっているSさん夫妻を始め、ご一緒させていただいた皆さんに、ありがとうという気持ちでいっぱいです。また来年、挑戦させて頂きたいです。


私が6月から所属するようになったママブラスからも、チューバとパーカッションの方がこのバンドに参加していました。入ったばかりなのに、ママブラスで一緒の方の顔を見るとなぜだかホッとしました。やっぱり、あのバンドのほんわかした雰囲気も、私は好きなのだと思いました。指揮と指導をされているF先生とも一瞬お会いして、久しぶりに先生の顔を見たら、これから12月に向けてまた一緒に良い音楽をつくっていけることが、すごく楽しみになりました。(F先生が指揮したバンドは今年も奈良県の代表に選ばれていました)


自分が入ったママブラスの雰囲気も音も大好きだし、このご近所のバンドも私はやっぱり好きです。気の置けないメンバーで、音楽を楽しみながらつくっていっている感じがする。どちらも一生懸命でひたむきな姿勢が好きです。また来年の夏、ご一緒できることを本当に楽しみにしています。


本番が終わってから、バンドのベテランメンバーの方が、「フルートのビブラートが、ちょうど心地良い感じで、聴いていて気持ちが良かったです」と言って下さいました。ほんとうに久しぶりに自分の音を褒めてもらって、とてもとても嬉しかったです。嬉しかったけれど、まだまだ自分は勉強中だし、まだまだこれからだと思っているので、お礼を言って、まだまだこれから頑張ります…と言いました。
「人を思いやる気持ちを持たなければ、本当に良い演奏者にはなれんぞ」と、高校時代の歴史の先生に言われた言葉が今でも忘れられません。(その先生の準備室が吹奏楽部の部室の真下にあり、その先生は何かと吹奏楽部を目の敵にしておられました…でも、良い先生だった。)
聴いた人に、良い音だなあと感じてもらえる音、あったかい音、心地の良い音…音には限りがないけれど、そういう良い音を目指していくには、自分という人間も磨いていかなければならない気がします。まだまだです…。


さて、また気持ちを切り換えて、ママブラスの曲にまた向き合っていこうと思います。