帰省

金曜日、京子が幼稚園から帰ってきてから、娘2人と荷物を車に積んで、3人で久しぶりに岐阜に帰省していました。


春奈のオムツも完全に取れて、娘たちを連れて出かけたり移動したりするのが本当に楽になりました。


金曜日と土曜日は雨でしたが、弟夫婦の家にお邪魔したり、祖父母に会いに行ったり、妹が来てくれたり、地元の友人に会ったりしました。



祖父母は同じ特別養護老人ホームに入所しています(広大な施設で、生活しているところは別)。
祖父に会うのは1年ぶりでした。会いに行っても、もう全然分かっていないみたいだけれど…。でも、できるだけ行かなければ…と思っています。
京子はひいじいちゃんに会いに行ったのは2回目、春奈は初めてでした。春奈はぐずり、京子は複雑な顔をしながらもカメラを向けると何とか笑っていました。ここに来るといつも何とも言えない気持ちになります。



次に祖母の部屋へ行くと、祖母は京子と春奈に会えるのを待ちかねていたようで…行ってよかったと思いました。

祖母の車椅子を娘たちと一緒に押して、祖母を父の車に乗せ、雨の中を一時帰宅しました。
歩けなくなった祖母を背中から抱きかかえるようにして支えて車椅子から車に移したり、トイレの介助をしたりしたのは、初めてでした。


幼い頃から両親がいつも仕事で忙しかったので、私たちきょうだいの保育園の送り迎えをしてくれたり、保育園や小学校から帰った後に相手をしてくれたりしたのは、いつも祖母でした。遠足もたいてい祖母でした。
今、自分が娘たちの幼稚園や保育園の送り迎えをし、降園後の娘たちの相手をするようになって初めて、これは全部祖母がしてくれていたことだ…と気がつきました。それまでは、そんなふうに思ったことも、それを祖母に感謝したこともなかった。親になって初めて思い知ったことです。



祖母のトイレを手伝ったことは、生まれて初めてだったけれど…、そして祖母がそれをどんなふうに思ったか分からないけれど、これは、おばあちゃんに自分がしてあげなあかんことやな…と思いました。いっぱいオムツも替えてもらっただろうし、ねんねこでおんぶもしてもらった。弟や妹が生まれた後は、小学校に上がるまでずっとおばあちゃんと一緒に寝ていた。布団の中で昔話もしてもらったし(たいていは桃太郎)、私は母よりもおばあちゃんのつるっとした広い背中や一緒に眠った記憶の方が多い。
保育園から帰った後の夕方に、祖母について行っていた畑やお寺、お墓、土の匂い、里芋や大豆、祖母がいつも子守唄みたいに歌っていたもの哀しい軍歌…、そういうものが自分のどこか奥深いところにずっとしみついている…そういうのを感じます。


祖母は、小さい私が道草していても、全然急かさなかったな…と今になって思う。
保育園からの帰り道、祖母の方があちこちの家や畑に寄り道して、近所のおばさんやおばあちゃんたちとしゃべったり、野菜や花を分け合ったりしていた。その間、私は土や草をいじってずっと遊んでいたなあ…と思い出します。そういうことに気が付いて感謝するようになったのも、ごく最近のこと…。祖母のペースが、たぶん、幼い自分にはすごく良かったんだと思う。


時が流れるということ、老いていくということ、何かがひとめぐりしたこと…そして自分もいつかそうなっていくだろうということ…。色々なことを、切なくも、でもそういうものなのだと感じます。


決してきれいな思い出ばかりではなく、祖父母が父や母とぶつかって、嫌なこともいっぱいあったけれど、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に住んで、それが自分の幼い頃の記憶に濃く残っていることは、やっぱりかけがえがなく大切なことだと、今は間違いなくそう思えます。


幼い子どもを育てること、そして老いた人の世話をすることは、人の営みとして当たり前のことのような気がするのだけれど、どうしてそれができない場合があるのだろう・・・。


遠いところに嫁に行ってしまい、今の自分は祖父母に何もすることができない。理由はそれだけでなく、認知症の祖父の介護は、とても自分には無理だと思う…。そういうことの後ろめたさもある…。
祖母は、今は歩けないだけで頭と口はまだしっかりしているけれど、今後はどうなっていくんだろうか…せめて今のまま、会話ができる祖母でいてほしいと思う。


実家で、祖母も一緒に母が作ったちらしずしを食べ、しばらく過ごしました。祖母は、食事の後は、ずっと雨の庭を見ていました。





日曜日(奈良に帰る日)、ようやく雨が上がったので、娘たちと裏の竹やぶに散歩に行くと、雨後のタケノコがにょきにょき出ていました。

↑ 間違えて変なモードで撮ってしまった。(京子の足元にタケノコ…)


タケノコ!




私と弟の遊び場だった雑木林。ここには何でもあったなあ…と思う。



キジの家族、ノウサギのフンや足跡、カエルの卵から孵るオタマジャクシ、ザリガニ、イナゴ、色々な木の実、ヤマイモ、秘密基地、モグラごっこ、落とし穴、沸き水…秘密だらけだった。


今日は、娘たちにアメンボくらいしか教えてあげられなかったけれど…。







↑ 庭で京子が作ったごちそう。フキの葉がお皿です。




↑ 家のすぐ裏に生えてきたタケノコ(放っておいたらえらいことになる…)を、ばあちゃんが掘り始めました。



↑ 京子も手伝って掘り、こんな感じに。



最後は、私が掘り起こしました(^^)v 鍬をふるいましたが、最後はかなり硬かった。小さなタケノコなのに、根元はこんなにも硬いんだ…と驚きました。タケノコとはさんざん家の裏に生えるものでしたが、自分で掘り起こしたのは実は初体験…。



京子も、すごく楽しかったみたい。



私たちが掘ったタケノコは1本だけでしたが、雨上がりにたくさん出てきたタケノコを近所のおじさんたちも掘っていて、この後おじさんが5、6本持って来てくれました。
私も1本奈良に持ち帰らされ、早速皮をむいて米のとぎ汁で茹でました。



祖父母や両親からもらったものですら、自分の子どもに伝えきることはなかなか難しいんだな…と感じます。それでも、少しでも伝えられたら…と思います。



また、時々岐阜に帰ろうね。まだまだいい場所がたくさんあるし、見せたいものもたくさんある…。