のりパンチ

tamago-ayako2008-12-22

京子は、育児グッズの通販カタログを見るのが好きである。


このところ京子は、カタログの中のお弁当グッズのページが一番お気に入りで、そのページを開けて、海苔で顔が作られたお弁当を私に見せながら、「おかあしゃん、これつくってね。こういうお顔のおにぎりね」「ちょうちゃん、これがいい」「これこれ。ちょうちゃん、これね」「これかってね」と、しきりに持って来ていた。京子が欲しいと言うのは、海苔を顔の表情に切り抜く「のりパンチ」で、京子が「これがいい」というのも、毎回「ピンクとくろの、これとこれがいい」「これとこれ」と、決まっている。
最初は、またいつものあれほしいこれほしいや…と思って、「はいはい」「そやなあ、買いに行かなあかんなあ」と適当に合いづちを打っていた。それが、あんまりしょっ中カタログを見せに来るので、ある時、「京ちゃんが来年、幼稚園行くようになったら、こういうふうに作ってあげるわ」とか適当に返事をしたら、それ以来、京子はまたまじめに、「ようちえんいくようになったら、おかあしゃん、こういうおべんとうつくってくれるもんなあ」と、言いに来るようになった(母は自分がそういう返事をしたことを忘れていた)。
昨日の朝も、「おかあしゃん、ちょうちゃん、これとこれがいい。これとこれね」と、またカタログを見せに来たので、「西松屋に売っとるかもしれんなあ、これ。今度見に行こか」と返した。
そして午後になって、京子が「ちょうちゃん、にしまつやにいきたい」としきりに言うので、「なんで西松屋なん?京ちゃん、西松屋で何買うの?」と聞いたところ、「あのねえ、ちょうちゃん、おべんとうの、のりのおかおのやつ、かうの」と言う。


…で、鈍感な母はようやく、京子が本当に、海苔の顔のついたお弁当を私に作ってもらいたいのだと気づいた…。
よくよく思い返せば、もう1か月近くも、毎日のように京子はカタログを私に見せに来ては、「こういうおにぎりつくってね」と言っていた。
昨日の、西松屋をめぐるやりとりで、本当にこういうおにぎりを作って欲しかったんやなあ…とようやく京子がけなげに思われ、私が「お母さん、こういうお弁当作ってあげるから、お父さんと買っといで」と言うと、京子は夫と一緒に大喜びで出かけて行って、とうとう「のりパンチ」を買ってきた。


…で、今朝、初めて作りました〜…顔のおにぎり。
パンチで切った海苔が細かいので、思ったよりメンドクサイ…難しい…忙しい時に時間がかかる…。しかも、今朝に限って春奈の機嫌がやたら悪く、お弁当作りの最中になかなか泣きやんでくれず、私のイライラ度がさらに増す…。「うまくできへんわ〜…」とかブチブチ言いながら作る私を、京子は「おかあしゃん、うまくできへん…?」と心配そうに見ていた。
いびつながらなんとか出来上がった顔のお弁当を見せると、京子はニッコニコの顔になり、「やったあ、やったあ!!」とバンザイしながら踊っていた。


ちょっと大変だったけど、今日のお弁当、喜んで食べてくれてるかな…?


これからは、今回みたいに、京子が「こういうふうにしてほしい」って言ってくることが増えてくるやろなあ…。京子はもう赤ちゃんじゃなくて、すっかり子どもで、自分の思いとか意志みたいなものも、いっちょまえに持つようになってくるんやろなあ…。
応えてあげられることと、できないことがあると思うけれど、ちゃんと受け止めてあげないかんのやな…って、今回気づきました。


不器用な母ですが、できる範囲でやってみます。。。