育育児典

今年の秋に出版された岩波書店の『育育児典』を、少し前に実家の母から貰ったのだが、その本の「病気編」を初めて開き、「下痢」や「嘔吐」を調べた(今までは、「暮らし編」の方を面白く読んでいた)。

育育児典

育育児典

京子の症状からすると、「感染性胃腸炎(お腹のかぜ)」だ。詳しく読んでいくと、「お腹のかぜは、脱水にさえならなければ、ほとんどが自然に治ってしまい、薬もいらないのがふつうなのです。」とある。食欲がない時は、「いまは消化器を休めてほしい。だから食物はひかえてほしい」という脳からの命令があって、食欲をおさえられているのだと考え、無理に食べさせたりせず、水分をきちんと補給すべき、と。吐き続けている時には、食事はストップするが、水分を与えないと脱水が進行するので、ほんの少しずつ水分を与えるように、と書いてあった。
京子は、ものすごい勢いでお茶を飲みたがるが、一度にたくさん飲ませると、さっきのようにまた吐いてしまうと思い、赤ちゃん用のポカリスエット(粉末)を湯ざましで溶かし、スプーンで少しずつすくって飲ませた。京子は、おいしい薬だと思ったらしく、一口飲むたびに、「おくつり(お薬)、おいしっ」、「くすり、もっと」と、おいしそうに飲んだ。午前中は、そんなふうにして、ひたすら少しずつ水分を与え、飲み終わると京子は眠り、起きるとまたポカリスエットを飲み、を繰り返して、午後になった。15時頃に起きた時には、食べ物を欲しがったので、すりおろしたりんごを少しと、卵入りのおじやを少し。食べ終わるとまた眠って、夕方には、かぼちゃの煮付けの柔らかいところを少しと、おじやを少し。
そんなふうに、水分と睡眠をしっかりとり、食欲が出てきたところで消化のよいものを少しずつ与えて、その日をのりきった。夜には、「六甲おろし」が歌えるくらいにまで、回復した。
我が家のクリスマス・イヴは、そんなふうにして終わった。その日、私は4回洗濯機を回した。


翌25日の朝、京子はいつもどおりに目覚め、「おかあさん、おっきして!」と言う。私が、なんだか胃もたれがするな〜と思っていると、起きてきた夫も、「なんか胃もたれする…」。同じ症状だった。
その日一日、私は完全にダウン。京子はというと、下痢も止まり、食欲も出てきて、歌って踊れるようになっていた。夫も腹痛だったが、昼間は私より動けたので、京子の朝ごはんと昼ごはんをなんとか食べさせてくれた(前日に私が作って冷蔵庫に入れておいた、おじややかぼちゃ)。夕方、外が薄暗くなってきた頃に、ようやく腹痛が治まってきて、起き上がれた。私がヨロヨロとリビングに行ってみると、夫と京子は和室で寝ていて、その周りには京子がその日一日一人でがんばって遊んだ跡があった(我が家のおもちゃというおもちゃがすべて出ていた)。京子が遊んだ様子を思いながら、それをひとつひとつ片づけ、キッチンを片づけた。
しばらくして起きてきた京子に、「お母さん、お腹治ったよ」と言うと、小さな声で、「おかあさん、なおった?」、それから、「だいじょうぶ?」。…びっくりした。「大丈夫?」なんて言うこと、教えていないのに、いつの間にそんなことが言えるようになったんだろう。ほろりとした。
その晩は、お腹をすかせた京子にはうどん、自分たち用にはお粥をなんとか作った。昼間、夫が京子をみてくれて、私を寝室でしっかり寝かしてくれたおかげで、私は夜にはだいぶ回復したが、夫の方が夜はしんどそうだった(測らなかったが、熱もあったようだ)。とにかく早く寝ることにし、我が家のクリスマスの夜は更けた。


翌26日、夫はどうしても仕事に行かなければならず、お粥をほんの少しだけ食べて会社へ。午前中の仕事が終わったところで電話がかかってきて、「昼に、激辛のマーボー豆腐が食べたいんやけど、どう思う?」と聞いてきたので、だいぶ回復してきてるな…と思った(もちろん「うどんにしとき!」と止めたが、夫の会社の近くに、夫のお気に入りの、マーボー豆腐のおいしい店があるらしい)。
この日は、私もなんとか動けるようになり、午前中いっぱいかかって、京子と遊びながら、家中のシーツと枕カバーを洗い、布団を干し、掃除機をかけた。明日から年末まで、関西方面は雨模様のようだから、シーツの洗濯と布団干しをこの日にやっておけてよかった〜!


今日27日、京子の鼻水がまだ出続けているし、年末年始には病院がまた休みに入ってしまうので、やっぱりかかりつけの小児科で薬をもらっておこうと思い、午前中に近所の小児科へ。連休中からの京子の症状を先生に話すと、「多分、ノロ系のウイルスやないかなあ。今、同じパターンのが、すっごい流行ってるんよ」。「最初に吐いてから、3〜4日経ってまた吐いたりもするみたいやから、1週間はよく気をつけてみといてください」と言われ、風邪薬とビオフェルミンをもらった。


今夜はカレーを食べて(京子は念のため、まだうどん)、なんとか家族全員、回復に向かいつつある我が家…。恐るべし、胃腸風邪。お正月は、おとなしくしておこうと思います。
皆様、どうか体にはくれぐれも気をつけられて、よいお年をお迎えください。