バッバ!

月曜日から、2か月ぶりに岐阜の実家に帰省中。
郷里のこの季節は、とてもいい。1年中で日が一番長く、早朝から日暮れまで、ヒバリが空高く飛びながらさえずりつづけている。実家の前に広がる田んぼのどこかに巣があるらしい。夕方、京子と田んぼの中の道を散歩すると、ツバメやスズメはもちろん、シラサギやシギの仲間、更にはカモまで6羽ほどいた(野生化したアイガモだろうか?)。田植えの時期が過ぎた水田には、用水から水が入り、少し伸びた苗が青々と風になびいている。
子どもの頃は、この田んぼや畦道が、私や弟の一番楽しい遊び場だった。畦道のどこにどんな草花が生えていてどんなふうに遊ぶと面白いか、カヤネズミの巣がどこにあるか、ザリガニやドジョウを捕まえやすい場所はどこか、私たちは知っていた。
今やその田んぼの真ん中には大きなジャスコシネコンが建ち、風景や雰囲気は一変してしまった。あの頃のまま残っている田んぼや道に、思い出を辿りながら、京子にヒメジョオンの花を摘んであげた。
ここで思いきり遊べた子ども時代は、本当に幸せだったな、と思う。


実家に帰ってくると、京子は私よりもばあちゃんにベッタリ。たまにしか会わないのに、なぜか京子はばあちゃんが大好き。私と一緒にいても、ばあちゃんに抱っこを求め、ばあちゃんが行ってしまうと涙をポロポロこぼして泣く(私がいるのに!)。「おかあさん」とはまだ言えないのに(「タータン」か?)、ばあちゃんのことは「バッバ!」「バーバ!」と言えるようになった。
家の中から外を見ていて、庭にばあちゃんの姿がちらりと見えると、すかさず指をさして「バッバ!」。朝、目が覚めるとドアの方を指さして「バッバ!」。ばあちゃんの足音が聴こえると指をさして「バッバ」。えらくお気に入りである。
バッバは京子に新たな芸を色々と仕込み、「クサイクサイ!」と言うと京子が鼻をつまんだりとか(いらんこと教えてるな〜)、投げキッスもできるようになった。夫が見たら卒倒するだろう(夫は週末に来る予定。反応が楽しみだ)。
実家には犬が2匹いるので、京子はその犬たちが鳴くたびに指をさして「ウォン、ウォン!」。犬が寝ているのを見ると、指をさして「ウォン、ウォン、ネンネ〜」。それから、おしっこやうんちをすると股のところをおさえて、「デタ」と言うようになった。
今は、大人のすることをすぐ真似する時期だから、京子に何かを教えるのは本当に面白い。逆に大人は普段の行動によく気をつけないと、すぐに言葉や仕草をコピーされてしまうけれど…。


昼間は、1階の座敷で遊ぶと、開け放った縁側から風が通って気持ちがいい。夕方は、家の庭で石や葉っぱを拾ったり、少し歩いたり。マンションにはない階段も京子は大喜びで上り下り。階段も京子にとっては、立派な遊具なんだなあ…。
2か月前は、家の中で京子を遊ばせるのもまだまだ危なっかしかったけれど、今はだいぶ段差にも注意深くなったし、見境なく何でも口に入れたりなめたりすることもなくなって、遊ばせやすくなった。やっぱりどんどん変わっていくんだなあ、ということを実感。
もう少し羽根をのばして、また奈良に帰ります〜。