広島へ

tamago-ayako2006-11-06

昨日は私たち夫婦の大切な友人(新郎新婦ともに友人)の結婚式があったので、夫婦で広島へ行ってきた。
私が広島を訪れるのは3度目。この町に降り立ちその風景を目にすると、かつてここに広がった決して忘れてはならない光景が心に浮かび、特別な気持ちになる。今日の広島も、こんなにも明るいのに。哀しい、強い、町だと思う。
友人たちの話す、広島弁も大好きだ。彼ら(男性)は自分のことを「ワシ」と言う。語尾の「…じゃけぇねえ」、「…しとるけぇねえ」が、あったかくやわらかく耳に届く。この日も、式場に向かうタクシーの中で早速運転手さんの広島弁を耳にして、ああここは広島なんだと感じた。そういう土地らしさは、ずっとずっとその地にあってほしいもの。
さて、この日の式も披露宴も、新郎新婦の思いがいっぱいに込められたもので本当に温かく、書きたいことは山ほどあるのだけれど、ここには私たち夫婦が参加させてもらった余興について、書いておきたいと思う。新婦のたっての思いで、この日が初顔音合わせのバンドが結成されたのだ。こんなメンバーで…

  • ボーカル     ・・・新郎&我が夫
  • 二胡&コーラス ・・・新婦
  • オカリナ      ・・・新婦の父
  • キーボード    ・・・新郎の姉
  • ギター       ・・・新婦の弟
  • バイオリン    ・・・新婦の友人
  • フルート      ・・・私

…で、曲目はコブクロの「永遠にともに」。新婦からこの話を持ちかけられたとき、私は「面白い!ぜひ参加させて」とふたつ返事で引き受けたのだけれど、こういう編成のバンドに参加するのは私も初めてだし、新婦は二胡を習って間もないと言うし、「気楽に参加してね」と彼女は言うけれどもすべては当日フタを開けてみなければわからないから、どんな感じになるのかまったく予想ができなかった。でも、当日はピアノ教師でいらっしゃる新郎のお姉さんの頼もしいリードもあり、メンバー全員の一生懸命さも伝わり、新郎と我が夫のユニットも熱唱し、なんとか会場の皆さんから拍手喝采をうけることができた。
先にも書いたけれど、このファミリーバンド企画は新婦の発案。私が彼女の立場だったら、「やりたいとは思うけれど、準備とかみんなの負担とか大変だし不可能に近い。やめとこう」と安全路線を選んでしまうだろう。でも彼女は「両家の家族や友人と一緒に、自分たちの記念すべき門出の日に合奏をしたい」という純粋な熱い気持ちで、チャレンジしてしまった。私が思う不可能を、彼女は可能にしてしまったのだ。そこが、彼女のもつすごいところだと、演奏が無事に終わった今、あらためて感心している。人生の時間はときに、ちょっとの勇気で大きく変わる。
真っ青な秋の空の下で、新郎新婦の家族と一緒に演奏ができたことは、私たち夫婦にとっても想像していた以上に心に残る出来事になった。私と夫が一緒に「音楽」をしたのも、これが初めて(夫はこの日のために、夜な夜な京子をお風呂に入れながら練習していた)。言うまでもなく、両家の家族にとっても、かけがえのないひとときになったことだろう。彼女のまっすぐさは、私たちが出会った学生時代からちっとも変わっていない…。そんな彼女が、とてもまぶしい。私にしたら、ある種「夢」のような家族の合奏は、彼女のまっすぐさがあったからこそ、実現できた時間だ(そして忘れてはならない、そんな新婦に惚れ込んでいる新郎は新婦が「やりたい!」と願うことはすべてやらせてくれたらしい…)。今日の写真は、その記念すべき演奏のとき。


ところで京子だが、私たちが日帰りで広島に行っている間、大阪の夫の実家で預かってもらった。朝6時半に夫の実家を出て、夕方6時にまた夫の実家に戻るまでの約12時間、私と京子がこんなにも長く離れていたのは初めてだ。人見知りが始まりかけているみたいだし、私たちを恋しがって泣いておじいちゃんとおばあちゃんを困らせるのではないかと心配していたのだが、披露宴の途中で義母から夫にこんなメールが入った。(以下原文のまま)
「まったく泣かず 離乳食 ミルクもきちんと食べて 元気な声をあげよく遊びよく寝ます 親を探す様子もありませんよ すっかり慣れ安心しました。ゆっくり楽しんできてね♪」
…安心したけど、ちょっとは淋しがって欲しいかもと思った私と夫だった。
とんぼ帰りの広島だったけれど、新幹線の時間までの30分、広島駅で新郎新婦イチオシの「総本家 みっちゃん」のお好み焼きを食べもみじ饅頭を買って、今回の広島でやるべきことはやった、と満足した。しかし、いつも3時間おきに授乳をしている私が、12時間授乳をしなかったらどうなるか…(母乳育児の経験のある方はわかるかしら)…帰りの新幹線、夫の実家までの地下鉄、私の頭の中は授乳一色であった。離れて困るのは私のほうだった。



ともあれ、広島の友よ、永遠にお幸せに…!