菜の花色

tamago-ayako2006-05-10

京子は生まれた日から笑顔(のような表情)を見せていた。目を細め口の両端を上げて、いかにも「ニコーッ」という言葉で表現したくなるような表情を見せるのである。生まれたばかりの赤ちゃんにどのような感情がありどのようなときに笑顔を見せるのか詳しくはわからないが、満足していたり心持ちが良かったりするのであろうか。今の時期はまだ目がよく見えていないのでこちらの顔を見て笑ったりすることはないのだが、京子は寝ているときや授乳中によく笑顔を見せる。いい夢をみているのだろうか。赤ちゃんはどんな夢をみるのだろう。夜中の授乳でこちらが体力的に疲れているとき、おっぱいをのみ終わった京子が顔じゅうで「ニコーッ」と笑うと、疲れが一瞬のうちに溶けていき、なんとも幸せな気持ちでいっぱいになる。思わず京子と一緒に自分も顔じゅうで笑ってしまう。
京子の匂いもほっとする。京子の顔に鼻をくっつけると、なんともいえない赤ちゃんのいい匂いがする。安心するあたたかい匂いだ。自分の幼い頃の記憶につながるのだろうか。授乳のときや抱っこするとき、鼻や頬を京子の顔や髪にくっつけてくんくん匂いをかいでは癒されている。
布おむつは昼間だけ無理のないペースで続けている。4月13日のブログで「うんちはぽろっと簡単に取れる」と書いた。しかし、その後わかってきたことだがそれはミルクの成分が多いときのうんちで、母乳をたくさんのんでいるときのうんちはベトッとしてなかなかとれない。トイレで使用済みのおしりふきとトイレットペーパーを使って固形部分をだいたい落としてから、バケツの水で何度か洗い、汚れた水はトイレに流している。夫は京子のお世話に積極的で、休日はおむつ換えとおむつ洗いを嬉々としてほとんど一手に引き受けている。母乳とミルクしかのんでいない時期の赤ちゃんのうんちは、醗酵した乳製品のような匂い(ヨーグルトの匂いに近いか?)で、あまり気にならない。それでも独特のにおいではあるから、自分の子だからできるのかなあとも思う。離乳食がはじまったらこれもどうなるかと、ちょっとドキドキしている…。
私が実家にいるとき京子の顔を見に来てくれた友人(妊婦)が、「この時期の赤ちゃんのうんちって菜の花色なんだよねー」と言った。…菜の花色。なんて可愛らしいきれいな言葉なんだろうと思った。夜中や明け方に京子が泣いてぼーっとした頭でおむつを換えているとき、おむつを換えた直後に京子のおしりのほうから破裂音がしたとき、「菜の花色…菜の花色…」と心のなかで唱えつつ菜の花畑を思い浮かべている(BGMはもちろん「おぼろ月夜」である)。