金メダル

今朝も5時に起きてトリノオリンピックフィギュアスケートを観た。
荒川静香選手のフリーの演技は本当に素晴らしかったと思う。テレビを通して観ていても、観るほどに惹き付けられ自分の体の底からどんどん熱くなっていくような演技だった。技術だけではない、本当にスケートらしいスケートの美しさを見せてもらった。開会式の感動を呼び覚ますプッチーニの「トゥーランドット」。音楽に乗ったなめらかな滑りが今も心に響いている。オリンピックという特別な舞台で自分の世界を見事につくり出した今回の荒川選手には、心の底から敬服してしまう。体と心の最高の安定をオリンピックのたった4分間というポイントに絞り込んであそこまでにもっていくことは、並大抵のことではない。
それにしても、映像を通してもその選手の心の状態が観る者に圧倒的に伝わってくることが不思議だ。凄い演技をするときの選手というのは本当に神懸かっているようだ。全日本選手権のときの村主選手しかり、先日のSPでのコーエン選手しかり…。今日の荒川選手の演技も、ライブの映像ともう一度だけ録画の映像で4分間の演技全体を通して観たが、ライブでは観ているうちにどんどん自分の体が熱くなり、録画ではなぜだか自然に涙が出てきてしまった。
超満員の観客からのスタンディング・オベーション。オリンピックのためにイタリアを訪れた人々の心の思い出にもぴったりと寄り添って響く、音楽とスケートだったのではないかと思う。